ユリ君のスポーツ精神はフェアなのか?

また新しい週の始まりですね。2月も後半に入って、春の訪れを感じさせることが多く目に入るようになってきたように思います。外の木々は固く閉じているけれども新芽のつぼみのようなものがつき始めているし、鳩のつがいはまだ葉っぱひとつない木に巣作りをしていたり、地面には春の訪れを告げる花、スノードロップが至る所で花をつけていたりと見ていて心がスキップしてしまう今日この頃です。

と言っても気温はまだまだ寒いんですよね。最低気温はマイナス1-3を行ったり来たり、あと日本と違って温暖の差がないので最高気温でも今日はあったかいなと思っても3度ぐらい。日本はこの時期、暖かな日だと13度ぐらいまで上がったりしますよね。それがね、ここでは皆無。頑張って7度ぐらいでしょうか。今、この、街の週間予報を調べてみたら週末に一気に気温が下がって最低気温マイナス6度、最高零度だそう。これはまた運河の水が凍りそうです。

そんな寒い日は家にいるのが一番なので、週末も市場やスーパーに買い物に行くのと、走りに出かけたほかはただただ家の中で。前にも話したと思うのですが、ユリ君が勧めてくれて僕もハマってしまってゲームがあって、Civilization 6という自分の国をもって政治、宗教、文化機関や科学技術などを自分で決めて国を作っていくという物なんです。この6の改訂版が最近出て2人で同じ地図上で同盟国同士として戦っているんですが、正々堂々のスポーツマンシップって何だろうって思ったことがあって。ま、ゲームがスポーツかと言うと賛否両論あるでしょうけど。

僕とユリ君の国は同盟国なので、お互いに兵を送って戦争をして領土を奪うと言う事はなのですが、お互いの敵を一緒に攻めると言う事はあるんですよね。その敵の領地が僕とユリ君の国の間とかになると、その敵国にある数個の領地を一緒に奪い合うことがあるんです。

僕は自分の領地に近いところ2つを攻め入っていて、ユリ君も自分の領地に近いところを攻め入っている。僕の頭の中では、”なるほど。ユリはあそこの領地を欲しいんだな。じゃ、邪魔をしないでおこう。僕はこの2つの領地に集中、集中。”と2つの都市を攻撃してもうすぐ陥落と言うときに気が付くと隣にユリ君の騎兵隊が。そしてユリ君が最後の止めの一発をいれてこの都市はユリ君のものに。”なんで、僕が陥落した都市を横取りするんだよ。”って非難するけど、”だって、僕もここの領地がほしかったんだもん。それに攻撃は順番ずつだから、それを考えていればTakの手に落ちることだってあったんだからさ。”と悪びれもしないんですよね。

もちろん僕は不機嫌になったのは言うまでもないんですが。

けどね、考えてみたんです。ユリ君のあの横取りはフェアかアンフェアか。スポーツマンシップだったのか。

ユリ君、ドイツ人のステレオタイプがそのようであるようにルールにはきっちりと従うタイプなんですね。ここは本当にはっきりしていて、もし他人がズルをしていようとも自分はルールに従う。そんなタイプ。なので、なぜユリは僕が明らかに攻め入っている場所にまで来て、土地を奪い取っていったのか。と考えて気が付いたのは僕が勝手な思いやりで自分の中の正義を作っていたなっていう事。”ユリ君が、あそこの領地を取りたいなら僕は手を出さないでおこう。僕はじゃ、こっちを取るからユリ君もわかってくれるよね。”って勝手に頭で自分の正義を作っていたんですよね。それを度返しされたものだから、不機嫌になってしまった。ただ、ルールの観点で言えば何問題もないわけで。戦争中になったらどこの領土に攻め入っても問題はない。つまりスポーツマンシップにのっとったフェアプレイであるという事。

ユリ君と生活してて最近気が付くのが、勝手な思いやりを正義にしてそれをフェアとして生きている自分がいるなって気が付くことが多いんですよね。これ、日本人的な特徴である思いやりの精神から来てると思うのですが、それをユリ君に求めてもいけないし、それを僕が鼓舞しすぎてもいけないんだなっていう事。その間の丁度いいところをお互いが時にぶつかり合いながら探しているように思います。

 

Leave a Reply

Your email address will not be published.