お風呂をめぐる記憶

火曜日。ドイツ北西日は暑くはないけれど綺麗な青空。太陽の下では半袖でも大丈夫だけど、日陰や室内では上着が必要なそんな午後。今はドイツ語の勉強を終えて、家でゆっくりとしているのですが、もう一つ理由が。アマゾンの小包が届くはずなんだけど、いまだに何もなく。どうしたのかな?もう少し待ってみます。明日は買い物に出かけたり、走りに行ったりしたいので今日のうちに来てほしいのですが。

そういえば、僕の新しい家のお風呂は何でこんなにも?ってくらいに広いんですね。縦長で、その中にトイレ、シャワー、洗面台があり、それらがあってもシングルベットが余裕で置けるスペースが。ここにバスタブがあったら天国なのにと思いつつ、ここを運動の場所に使っています。運動するとき僕はあまり着こむのは嫌なのでパンツ一つなんですよね。昔の家はリビングを誰かに見られるということがなかったのでよかったのですが、今の家は誰もがのぞき見できるので、すりガラスのバスルームで筋トレやストレッチをしています。

そして、シャワーも大きいんです。前の家では自分の手でシャワーをもって浴びなくてはならず、不便極まりない代物だったのですが、ここはいいですよ。まずはバリアフリーで、正方形。その2面は壁で、あとの2面が全部がガラス扉。お湯の量もいい量が降り注ぎます。そんな大きさだから時にユリ君と一緒にシャワーを浴びる時があって、それがちょうど先週末。

クシュクシュの泡をがたつスポンジみたいなもので体をお互いに洗っていて、ちょうど僕の右の太ももをユリ君が洗ってくれている時に痛みが。季節の変わり目や乾燥しているときに僕の足の肌はかゆくなることがあるんですよね。それでちょっと肌が敏感になっていたよう。痛みって程でもないんですけど。

けど、その感じが何となく懐かしいなって思って考えてみたら、ゴシゴシのピンクタオルだって思い出したんです。

多分、ゴシゴシって呼んでいたこのタオルは母方の両親の家にあったもの。ピンク色で、素材はね、なんだろ人工的な感じの肌触りで、今思えば赤こすりとかになるんじゃないかなってなもの。それがあの家ではメインの洗いタオルだったので、いつも最初が緊張してました。あ、ゴシゴシが来る!!そんな心構えが必要で。

僕がここを訪れるのが多かったのは幼稚園から小学生の低学年ごろ。だから、その家の誰かとお風呂に入ることが多かったんですよね。おじいちゃん、おばあちゃん、おじちゃん、おばちゃん。それで体を洗ってもらうことが多くて、けどもしかしたらこれは幼稚園の記憶が多いだけなのかな?ともあれ、洗ってもらう時のピンクのゴシゴシが肌に当たる瞬間が”あわあわあわ”って気分になるんです。痛いような、くすぐったい様な。その感触にユリ君が洗ってくれたのが似ていたんです。

そうすると記憶の扉がどんどん開いて。あの頃のお風呂での出来事が次々に現れてきて、懐かしい気持ちに。

まずは、家づくり。これは本当に大好きだった。祖父母の家のお風呂はお風呂のフタが3枚だったんですよね。白色の物凄く軽いだけど少し厚みのあるビニールとプラスチックの間のような素材のもの。この2つを立ててその上に最後の1枚のフタを乗せると屋根になって家になるんです。2枚のフタは湯船の角の一角に建てられているのでちょうど角の部分が窓のように空間ができてそこから洗い場を眺められる設計で。その家が僕はものすごく好きだったんです。時に叔父が洗面器でいっぱいのお湯を屋根に落として、雨を降らせてくれたり、時には台風が来て家が壊れたり、その時の僕が一番憧れていた家は明らかにあのお風呂の家でした。

叔母は僕にいろいろのことをお風呂の中で教えてくれた事を覚えています。僕は小学生の低学年の時に戦争に大きな興味を持っていて。ただ、戦車とか戦いとかではなくて、戦争というものがどいうものなのか、どんなことが起きるのかということ。そこで叔母は第2次世界大戦でのナチスドイツのユダヤ人大量虐殺の話をしてくれたりしてました。多分それがあってか、僕は社会が好きになるんですよね。

後、水に溶かすリンス。あれが僕は好きでした。だって、水遊びみたいでしょ?しかもおしゃれな水遊び。お湯を張った洗面器に素敵なにおいの液体を入れる、その時に液体の形の美しさ。そしてそれを混ぜるとそのお湯自体がいい香りになって、それを頭からかける!!シャンプーよりも僕はリンスが圧倒的にあの頃は好きでした。そういえば今はリンスあるのかな?

海外だと親子が一緒にお風呂に入るということはないんですね。親が服を着て、小さなわが子をお風呂場で洗ってあげたりすることはありますけど。けど、一緒に裸でお風呂に入るって良かったなって今は思います。一緒に100まで数を数えたり、音楽の授業で習った歌をエコーの素敵な空間で披露できたり。

お風呂には楽しい思いでしかないためか、僕はお風呂が大好きなんですよね。

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