心臓を食する

ユリ君は健康そうな生活をする割には、好き嫌いが多かったりするんですよね。お母さん曰く、昔は野菜のほとんどが嫌いだったらしいのですが僕が出会った時は夕食には絶対にサラダを食べるという習慣があって、野菜嫌いは克服していたようですが。それでも芽キャベツは今でも絶対に食べないし、真っ赤なビートルートもダメみたい。食べるけど本当は食べたくないのはブロッコリー、カリフラワー、ナス。あとは、オリーブ、アンチョビ、ケーパー、ブルーチーズは食べないので僕も最近はご無沙汰。

人によって新しい食べ物に挑戦していく人と、自分の好きなものを保守的に食べてその領域を広げない人の2つに分かれると思いませんか?僕の中では新しいものに積極的に取り入れるのは女性が多いなって思います。逆に男性は保守的。それって美容院でもあらわれませんか?男性って良かろうが悪かろうが同じ床屋さんに何十年も通うのに対して、女性は気に入りの美容院が見つかるまでいろいろなところを試すという話をよく聞く気がするのですが。

食に関していうと僕は新しいものを挑戦したタイプだなって思います。レストランでも何か珍しいもの、自分では作れないものを注文することが多いし、料理を家で作るときも冷蔵庫の中や調理戸棚をざっと見まわして何があるかを確認した後、好きなように自分流の料理を作るんです。ユリ君はこれがあんまりないかな。

なので、先日スーパーに一緒に買い物に行ったときにこっそりと買ったものが。鶏のハツ。心臓ですね。僕が八ツを食べたのは実はロンドンに住んでからで、レストランで焼き鳥のものを食べたのですが食感が面白いなと思ったのと塩のシンプルな味が活きるなと思ったこと。ただ、自分で調理をしたことはなかったんです。それが、鶏のから揚げでもユリ君にしようかなと思って肉のコーナーを見ていたら不思議な肉が。読んでみると鳥の心臓だと書いてあります。”よし、勝手みて何か作ってみよう。”と決めたのですが、ユリ君が反対しそうだったので、カレー用に買った牛肉の下に隠してショッピングカートへ。無事にバレずにお会計も通過。

そして昨日、ハツを調理したわけなのですが。なぜか料理をしながら考え深くなってしまいました。ハツは400gほど入っていてその数40個。という事はここには40羽分の心臓が、鶏の存在があるというわけで。ハツの調理法で、なかの血をちゃんと取り除いたほうが良いとあったので500円玉のより少し小さなその心臓を切っては開いて水洗いをしていたのですが、穴があるんですよね心臓のところに。多分ここが血液を送っていた血管があった場所なんだろうなとか、また開てみると何個かの空間があってこれが理科の時に習った心臓の構造なのだなと思い、自分の心臓もこのようなんだろうなと思いながらさばきました。

普段肉を買ってきて、その食べられる牛だったり、鳥や豚を考えることってなくないですか?もう食べ物としてしか見てないなって。それが心臓があんなにも入っていてそれを調理していたら、せっかく40匹分の命を食べるからおいしく味わって食べなくちゃなっていう感謝とも義務感とも言わないその交わった感情が心を占めたんですよね。不思議な体験でした。

ハツはネギと一緒にガーリックパウダーと塩でシンプルな味付けに。お米を一緒にと思ったのですが次の日がカレーで米続きだとユリ君から不満が出そうだったのでジャガイモのスライスをパルメザンチーズで軽く和えたものを副菜にしました。”これ何の肉?”と言いながら食べるユリ君。鶏だよといっただけど深くは説明しない僕。終わりごろに、”心臓っておいしいね。”っていうと”そっか、心臓か。うんうん。美味しい。”ていう返答が。どうやらハツは問題なく食べれるようです。良かった。

だけどね、炒めたんだけど焼き鳥のような食感にならなかったんですよね。今度はオーブンで焼いてみようかな。

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