言葉の壁を超えて、そこにあるもの

土曜日。素敵な響きですよね。金曜日の疲れをゆっくりとれるという余裕もあるし、まだ次の日が日曜日だからその軽やかさも日曜日の夜とは違うし。土曜日はやっぱり素敵。

特に何をするわけでもなく、ちょっと遅めに起きてふわふわのパンケーキをバターとハチミツでシンプルな朝食。途中で太陽が雲間から顔を出して突然明るくなる僕のリビングルーム。それに伴って部屋の空気も暖められる不思議。太陽光って本能に人間の生活に必要だなって、こんな時に感じさせられます。

午後からはユリ君と近くの公園に散歩に。目的地もなく歩くこと1時間半。途中でおもちゃ屋さんによって任天堂Wiiをできる空間があったのでマリオカートを2人で2回戦いました。ゲームが得意なユリ君は最初の1戦では操作がわからなかったので12マシーン中11位だったのですが、2回目のレースでは見事3位。僕はゲームが苦手で、どちらも最下位の12位。

最近の僕たちの会話は時にドイツ語だったりするんですよね。もちろん、僕のドイツ語のレベルなんてレベル1ぐらいなので、そこまで難しい会話は出来ないのですが知っている単語で一生懸命に文章を作って伝えています。もちろん、間違った時に指摘が。

あとはユリ君が見るドイツのコメディーなんかのビデオを一緒に見てます。聞き取れる単語なんてほんの少しだけど、人の体や手の動き、表情などでわかることって多いですしね。ドイツ語のシャワーを浴びるのも気持ちいいなって思います。

結局、言葉って他人とのコミュニケーションを取るのに必要な道具でしかないですよね。それに頼りすぎてしまっては時にその人の本意を逃してしまうことだってありますよね。

この前に書いた記事で、映画を見に行くと言ったのを覚えていますか?あのとき見たのがエイミーアダムス主演のArrival(邦題:メッセージ)。

地球上に現れた12体の巨大な岩とも言える建物。アメリカのモンタナ州、オーストラリア、イギリス、アジアでは中国の上海、そして日本の北海道に出現。どうやらこの巨大建物はエイリアンが乗ってきた宇宙船らしいのです。ただし、中から宇宙人が降りてくる気配もなく、一体何の目的でどこから来たのかも分からずに困るアメリカの政府。意を決して宇宙船らしきもの中へと入るとその中にはエイリアンが。そこで対話を試みるが帰ってきた返事は何を意味するかわからない音。

このエイリアンのメッセージが何を意味するのか。そこでこの解読に任命されたのがエイミーアダムス演じる言語学者のルイーズ。録音されたものでは理解ができないと自ら志願して宇宙船の中に。そこで少しづつ、少しづつ彼らの言葉や文字を理解していくルイーズ。果たしてエイリアンの目的は、、、、。

この映画、最後のものすごいどんでん返しがあって、いろいろと考えさせられます。これ、言ってしまうと全く面白くないので映画館で行って感じてくださいね。

この映画、コミュニケーションが鍵なんですよね。全く言葉がわからない、相手が何を伝えたいのかもわからない状態から、少しづつ紐解いていくそのプロセスの大切さ。時間がかかったり、時に意味をなさなかったり、だけどその中でも信頼関係はゆっくりと築かれていく。大事なのは相手がわからないからとムキになって一方的に攻撃したりしないこと。自分のわからないものって、人でも物事でも恐怖心が先に出て、攻撃してしまいがちですよね。この映画はそれを真っ向から否定して、まずは理解をしてみよう、相手がどのような立場にあるのか考えてみよう。そう教えてくれます。

ユリ君と僕。母国語はドイツ語と日本語。そして日々話す言葉は英語。お互いの国について知ることも多くはなく、価値観も文化の背景も違う。まさにエイリアン。だから時に、”なんで?”って思ったりもするのですが、そこは相手をまずは理解しようって思いで考えなきゃいけないなってこの映画を見て思いました。

日本の公開は残念ながら来年の5月のようですが、機会があったら是非みてくだしね。

 

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