今の自分にぴったりな

シャワーを浴びて、さっぱりしてこのブログを書いているところです。1日働いた後のシャワーってどうしてこうも気持ちがいいんでしょうかね?勢いよく流れてくるお湯を背にして頭の上からお湯を全身に流して軽く自分の体をマッサージ。それとともに筋肉の奥に隠れていたであろう疲労が押し出されて流されていく感じが僕にとっては幸福感なんですよね。

お店の仕事は今週は終わりなのですが、明日は歯医者で先日取れてしまった銀の詰め物の治療、そして明後日はロンドンの中心街で写真撮影と忙しい日々となりそうです。だから、自分の体をいたわれる時はいたわるようにしています。

この前のブログにも少し書いたのですが、自分の気分にぴったりの音楽、映画、本を探してから聞く、見る、読むを行いその世界に入って同化するというのを書いたんですが、この2日間、なんとなく見てみた映画の雰囲気や物語がその時の僕にぴったりで。それだけで幸せな気持ちになれました。

まず、昨日の夜は1999年のアメリカ映画、You’ve Got Mail (邦題:ユーガットメール)。トムハンクス、メグライアン主演の王道のラブコメディーなのですが。この映画の雰囲気がものすごく好きなんですよね。この雰囲気を説明するのが、ちょっと難しいんですが、、、。メグライアンが可愛いとか、話のストーリーが面白いとか、そういうのとは違って、漂っている空気感のことなんです。メグライアン演じるキャスリーンのお店の中の雰囲気だとか、彼女の家の間取りだとか、彼女のメールを書くときの言葉遣いだとか。そんなものがすべて自分がそこにいて、または自分の過去を思い出して、”そこに自分がいるかも、(または、いたかも)しれないと思わせてくれる何かが感じれるんですよね。けど、超現実的な感じでなくてうっすらとした半透明の紙で透かし見る感じというのが一番しっくりとくるかも。

見ず知らずの人と顔を見ずにメールだけでお互いを知り合っていくというのも、これは素敵だなって。よく考えと僕の恋もこんな感じがほとんどなので、そこに共感するところが多いのかもしれませんね。

そして今日は、An American Girl Story Ivy & Julieという可愛らしいタイトルなんですが。これね、多分ティーン向け。なんですよね。家に帰って筋トレをしている時に何か短いドラマやテレビ番組を聴きながらすることが多くて、70年代のサンフランシスコの設定と、アジア人の子が出ていたので何となくみいたのがきっかけです。

物語はいたってシンプル。中国系アメリカ人のアイビーはサンフランシスコに住むティーン。そして時代は70年代。アイビーのおじいちゃん、おばあちゃんが10代の時にアメリカに渡ってきたとあって、アイビーは英語が母国語。ただ、毎週土曜日は兄とともに中華街の中国学校で、中国語を嫌々習っています。そんな彼女の一番の友達は白人のジュリー。そして、アイビーが力を入れているのが新体操。もうすぐ市の大会で、それで勝てばもっと大きな大会に駒をすすめることができるのですが、、、。ここで問題が。この市の大会と、中国の旧暦の正月とが重なってしまったんです。家族全員や、親戚一同を集めて例年になく大きなお祝いをしたい両親、それとは裏腹に大会にどうしても出たいアイビー。両親は、”もういい年齢なんだから、自分で決めなさい。”との選択をアイビーにさせます。果たして、どうなったのか。

物語はよくある話なんですが、”移民”という立場をうまく表してるなって思うんですよね。僕は今までアメリカとイギリスに住んでいるのですが、アジア人の見た目ですぐに”外国人”というレッテルを貼られることが多いように思うんですよね。例えばそれは、日本で白人の人がいたら、”外国の人だ。観光かな?”っていう感覚。けどもしかしたらその人は日本で生まれ育って日本語ぺらぺらの可能性だってあるわけでしょ?けど、見た目から判断して”外国人”っていうレッテルをつける。これがアジア人が欧米に行くと感じるものだと思うんですよね。

アイビーの場合はアメリカで生まれ育っているので、”自分はアメリカ人。中国人ではない。”という感情が強くて、時に中国語で話しかける母親を恥ずかしく思ったりします。

僕の場合はアメリカに最初に住んでいた時は、”アメリカ人になりたい。”て結構強く思ってました。自分の日本語アクセントの英語が嫌で、一生懸命に発音を直したし、英語の勉強もたくさんして、機会があると友達を作って話してました。それは多分、自分が同性愛者で日本という場所でそれを隠して住まなくてはいけないというのが息苦しくて、その逃げたアメリカが僕を寛容に受け容れてくれたことにあると思うのです。

それから月日が流れて、イギリスでもうすぐ11年。アメリカが2年半なので、僕の海外生活も13年半。人生の3分の1以上を日本以外で過ごしているんですよね。そうすると、少しづつ二品人とは何か、日本語とは何か、日本文化とは何か、考え始めるんです。そして海外で長く暮らす僕は今もなお”日本人”として通用するのだろうかとか思ったりして。

だから、このアイビーの家族と自分の願望の葛藤が手に取るようにわかって、ものすごく共感できました。

こんな自分にぴったりな映画や、本、音楽に出会えると不思議なことに、”人生って悪くないな。”って思えるから不思議ですよね。

 

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