静かに揺られて

昨日と同じように雨模様のドイツ北西部。昨日にも増して時折、横殴りの強い雨が降ったりともの悲しい感じが立ち込めています。今日は窓を開けて、少しひんやりとしてはいるけれど新鮮な空気を部屋の中に充満させているところです。どうしても閉め切った部屋は空気がよどんでしまいますよね。

さて、ユリ君の両親の家に先週末訪れていたのはお父さんの誕生日のため。毎年、家族が集まってお祝いをするのですが今年は僕もその中に参加。ユリ君の兄弟と、その家族など総勢12人。ユリ君の家族は基本帝にドイツ側とデンマーク側に分かれていて、今回はデンマーク側の家族も。

デンマークってドイツの北部部分でつながっていて、昔のブログにも書きましたが世界で1番幸せな国ランキングにいつも1位2位の国なんですが、小さな国なんですよね。人口は600万人ほどなので、千葉県の総人口ぐらいでしょうか。首都はコペンハーゲンで、首都の人口は50万人ぐらいなので日本でいうと宇都宮市の人口ですね。

小さな国もあるし、周りにたくさんの国々が隣接しているので外国語教育が徹底しているんです。今回はデンマーク側からは3人が来たのですが、3人ともデンマーク語、ドイツ語、英語を何不自由なく話せるんですよね。会話は大体がドイツ語で行われるので、僕は知っている単語を会話の中から拾ってはそこから何をみんなが喋っているかを推測するのが精一杯。だけど、時にデンマークファミリーが英語で僕に質問とかもしてくれるんですが、ドイツ語から英語に何の躊躇もなく変わるんです。第2外国語を使う人ならばわかると思うんですが、突然に1つの言語から直ぐに次の言語に変わるときって難しかったりするんですが、それをも感じさせないんです。そんな姿が羨ましくて、、、。”何時かこんな風に僕もドイツがを上手くなってやる!!”って思いました。

そんなお父さんの誕生日会は夜遅くまで続き、お酒を飲まないユリ君は午前1時過ぎに、”もう寝たい。”というのでベッドに。僕も一緒にベッドにいきましたが、残りの人たちはその後1時間ほどパーティーを楽しんだようです。

土曜日の昼過ぎまでにはほとんどの家族が帰ってしまって、残ったのは僕とユリ君だけ。犬の散歩に行ったり、庭仕事を手伝ったり、読書をしながら日光浴をしたりと穏やかな時間を過ごしました。

お母さん大好きな末っ子のロミオ。やんちゃ坊主で、”遊んで、遊んで。”攻撃がかわいかったです。

そんな土曜日の夕方はデンマークとの国境に近い都市フレンスブルクへ、お父さん、お母さん、そして彼らの友達と僕ら2人の6人でワインの試飲会へ。試飲会、フレンスブルク郊外にワインの店を構える人が主宰をしていて、スパークリング1種、白2種、ロゼ1種、赤2種のラインナップ。それとともに軽い軽食も添えられます。お酒を飲まないユリ君にとってはつまらないイベントのように思えますが、ユリ君を釣るには格好の事が潜んでいたんです。それが試飲会場。

今回の試飲会は蒸気船で行われたんです。ユリ君、大学では海に関するエンジニアみたいなものを勉強していて、ボートとか帆船とか大好きなんですよね。”来年の夏はセイリングに行こうよ!”って言われてるんですが、僕はどうもね。。。。何がセイリングって豪華な感じがするじゃないですか。だけど、ユリ君が行きたいのは大型のボートで何十人の人がそれぞれ責任ある仕事を請け負って船を動かして航海をするというハードコアもの。山育ちの僕には未知なる世界過ぎて、、、。

なので、僕はワイン目的のほうが強かったのですが、蒸気船って素敵だなって思いました。音はもちろんするものの、何か懐かしさを覚える音でエンジン部分は石炭から発せられる熱で温かったし、蒸気が力となってエンジンを動かしている姿にも感動を覚えました。

また、船上からの景色も良かったんですよね。ちょうど黄昏時の波のない水面を滑るかのように動いていく船。右側はドイツで左側はデンマークというその不思議。また、穏やかな緑の丘が見え、その向こうには北欧ならではの色合いの家々。海岸沿いに建つ家々には明かりがともり、夕飯でも家族で食べているのでしょうか。行きかう小さな船や帆船も親し気で、船上には沢山の人がいるにもかかわらず自分の周りだけがとても穏やかで平和的な雰囲気で包まれて気分に。

住むならば山のほうがいいと思っていたけれど、穏やかな海辺というのも悪くはないかもなって思った自分がいました。

いつもしない体験をするって、自分に違った価値観や思いをくれるので大切なんですね。なんとなく年を取ってしまうとそれが億劫だったり、怖かったりするんですが。夏のセイリング、、、。考えてみようかな。

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