吹き飛ばされる本

朝起きたら晴れ間がのぞいていたので、走りに行くことに。最近はお決まりになった10kmコース。今日はいつもと同じ時間なのにいつもの顔ぶれに全く会うことなく、しかも人自体が少ない感じ。5km過ぎ位から晴れ間も消えて、グレーの重たい雲が空を覆っていたのも、関係しているのかもしれませんね。僕が家にたどり着いてシャワーを浴びていると雨音が。今は少し青空は見えるも肌寒さを感じ何となく不安定な天気。

不安定といえば僕もちょっと不安定。

けど、その原因がわからないんですよね。何となく体調がすぐれなくて、ぼわーってなってしまうんですよね。なぜだか。頭のぼわー感と、胸の辺りのムカムカ感が取れなくて、、、。そして体調がすぐれないとまた、グダーっとした生活になっちゃうしで困ったものです。

何か現実の世界が半分夢の世界のような感覚というのかな。足が地についていない感覚が今週の始まりからあって、いったい何が原因なのかいまだにはっきりとしないんですよね。

ま、あまり深く考えずに気楽にいったほうがいいのかな?

うーーーん。やっぱり週末に読み終えたあの本なのかな?って気もしなくもないのですが。

D機関シリーズでおなじみの柳広司さん。僕も彼の本は好きで、ロンドンに留学した夏目漱石が自分をシャーロックホームズと思って謎を解く「吾輩はシャーロックホームズである」とかD機関シリーズや昭和初期の華族の男性を主人公に書かれた「ロマンス」など、僕の本棚にあるんですね。柳さんの話は何かの謎があって、最後には「なるほど。そういうことだったのか!!」というミステリーが多いんです。

それで週末に読み終えた本が、「新世界」という本。

舞台はアメリカのニューメキシコ州、ロスアラモス。ロスアラモスは原子爆弾が作られたことでも有名ですよね。そしてこの町、その開発だけのために突然に1943年に作られた町なんです。その研究所の初代所長が原爆の父といわれるオッペンハイマー氏。この小説は彼が残した小説という形で書かれています。

いつも通り店舗の良い文章で、あっという間に物語の世界に。出てくる登場人物はほとんどが実在した人間なので、なんとも興味ぶかい。確かにこのようなことがあったんだろうな、研究者たちの頭はこうだったのかもな、なんて思えるディーテールのすごさ。まるでその地にいてすべてを見てきたかのような文章。

僕の読書はそうなのですが、文字を読むとその風景や人物が映像となって表れてくるんですね。その文章に書かれていること以上に、”温度はこれくらいだな、”とか、”部屋の雰囲気はこうだな”とか。まるで映画を見ているような感覚なんですね。だからホラー小説とかは絶対読めないんです。夜眠れなくなってしますから。

それでどんどん深みにはまっていく僕。

するとある章で部隊が一気に日本に飛ぶんです。片目の女の子が見せる原爆が落ちる数秒前、そしてその後の広島の姿を。これが、もう。ちゃんと文章を読んでいたら耐えられないほどの映像なんですよね。読まないわけにも行けないので、速読式に読んでいくのですが、脳裏に移される映像が半端ない。途中で休憩をして読まなくてはいけないほど。

多分これにやられてから、どうも気分がよくないんですよね。心と頭に雨雲が、雨も流さずにとどまっている感じで、すっといる。そんな感じ。

この小説は心してかからないとやられます。テニスで長身の人が振り下ろしてくる高速サービスと一緒。ちゃんと構えとかないと吹き飛ばされてしまって、立ち直れません、、、。

しかも高速な部分は本当にその一章だけ。あとはいつも通りの淡々とした、少し低温の穏やかできっちりとした文章なんです。だからその打ちのめされ方も半端ない。

ちょっと、新たな本を読んで頭の中を一回整理する必要性がありそうです。

かなり精神的に、また肉体的に疲れますが読んでみてください。ただ、ちゃんと構えて読んでくださいね。吹き飛ばされます。

 

 

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