旅の楽しみのひとつ、宿

今日は朝から忙しく動いていました。いつも通り6時15分に起きてユリ君と朝ごはんを食べて、7時前に仕事に出かけるユリ君を見送った後は床の掃き掃除と、拭き掃除。

日本って大掃除と言ったら大みそかの日でしょ?ヨーロッパは日にちは決まっていないのですが、春の訪れの時に大掃除をします。新しい年を迎える時のほうがきれいな環境でいいじゃんって異本育ちの僕は思っていたのですが、最近は確かに春にしたくなるのわかるかもとも思うんです。

いつもブウログで書いている通り、冬のドイツやイギリスは暗い、暗い。朝焼けが今は8時過ぎで太陽が昇ったのかなと思えるのが9時過ぎ、この太陽も夕方の4時過ぎにはいなくなるので。そしてその間も薄暗い曇りの空。それに、ドイツやイギリスって間接照明のほうが多いんですよね。なので、ほこりや汚れが目立たないという事が多くて。時に晴れた日があったりすると、”うわ!!いつの間にこんなに汚くなっていたんだろ!!”って驚かされてしまいます。

だから、日差しが長く晴れた日が続く春のはじめになると冬の間に見えなかったほこりや塵が突然に目につき始めて、大掃除へと至るわけなんですね。おもしろい。

その国の文化、季節の移ろい方、気候によって考え方も、価値観も習慣も変わってくるというのは興味深い事です。

その1つに家などの建築も上げられますよね。今回は建築や、それを彩るもののお話。

島根県の出雲大社を訪れたときに宿泊したのが、明治10年に出雲大社を参拝する人のために始まった竹野屋。ここ、竹内まりあさんの実家としても知られる旅館ですよね。本館のこの木造建築は昭和4年に建てられたのだとか。僕の祖母とほとんど同い年なんですね。

この雰囲気が素敵だと思いませんか?まるで千と千尋の神隠しの世界を彷彿させるなと思ったのが第一印象。日本の旅館にユリ君を泊まらせたい、せっかくなら素敵なところにしたいと少しお値段は張りましたが、ここに泊まることに。ちなみにこの写真に写っている男性、個々の従業員さんで働いて数週間目でしかも昔ドイツに住んでいて、ドイツ語を喋れり人だったんです。礼儀正しくて、好青年でした。

僕たちの泊まった部屋はシンプルな和室。ここにはトイレとユニットバスもあります。けどね、旅館にきたので大浴場でお風呂に入りたいじゃないですか。そんなにも大きくはないのですが、3回(夕飯前、寝る前、朝)大体において一人貸し切り状態でした。この部屋は新館で一番値段の安いお部屋です。それでも、十分。夕飯と朝ごはんもついてきますしね。

昔ながらの旅館は細微にも色々と手が込んでいるのが魅力じゃないですか?欄間とか、障子の模様だとか。特にエントランスの部分は物凄く美しくて、15分ぐらい見物してました。

こんなお花とか書だとかがダウンライトで照らされているのっていいですよね。ここが特別な空間になる気がして。

確かに安くはないけれど、これだけのおもてなしと、おいしい食事に、旅館自体が持つ雰囲気を考えれば高くないなと思います。この旅館の中を流れている空気が外とは違った穏やかなもので、その異次元的な体験をするだけでもその値段を払う価値があるかと思いますよ。

さて、次のお宿は熊野古道で泊まった古民家。

ね。こちらも趣深いでしょ。オーナーが自分の手で改装したこの古民家は手作りの温かさが存分に感じられます。しかもね。細部にもこだわっていらっしゃるんですよ。

玄関のたたきには黒い玉砂利が引いてあります。こんな小さなな事が嬉しいんですよね。

寝室。ただの畳の間とも見えますが、照明器具が明治大正を思わせるデザインだったり、左側の仕切りや右側のベッドサイドランプが凝っていると思いませんか?

あと、少し前まではあった障子の擦りガラスの紋様・懐かしさもありますが、これって素敵なデザインと思いませんか?だってモミジがその向こう側にある色で黄色になったり、赤になったり、緑になったりと季節を感じさせてくれるようになっているのだから。

日本建築の美をも堪能できた今回の日本帰省でした。

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