茜さす空に

昨日で4日間の撮影が終了。毎年、お世話になっている会社で、仕事をする人達とも気心知れていて撮影もスムーズに。写真の編集も半分以上が終わっていて、あと少し頑張れば完成です。

ホッと一息できる事。これって大事ですよね。

写真の仕事のときは同じ様な仕事でも、撮影場所に行くまではある種の不安がいつも付いてまわるんです。フリーの仕事をして長い事なるのに。ライティングは上手くいくかな、とか時間配分がこの時間はキツキツだけど間に合うかな、、、。とか。

特に初日は結構心音が早い気が。だけど不思議なもので会場に着くとこれが消えちゃうんですよね。肝がすわるって言うんでしょうか。”やってやるぞ!!”ってそんな気持ちで戦闘モード全快。

フォトグラファーって、もちろん写真を撮るのが仕事なんですがそれ以上の仕事もあるなって思うんですよね。

特に人物を撮るフォトグラファーに言えるんですけど、僕達はエンターテイナーでも無くてはいけないなって。サーカスのピエロとか遊園地のマスコットの様な感じかな。

会った事も無い人から突然に写真を撮られても、”誰、この人?” ”いや、笑顔は無理。”とか思ちゃうのが普通だと思うんですよね。初対面の人にはどの人で模そうと思うのですが薄かれ厚かれ氷の壁みたいなのがありますよね。

人物を撮る写真家はこの壁をいかに早く溶かすか、もしくは壊すかが大事だなって思います。相手の懐に入る、そんな感じかな。

例えば、遊園地のマスコットとかピエロって、ちょっと厚かましい感じで土足で心に入ってきません?子ども達に、”ほら、ピエロだよ。写真を一緒に撮ってもらうよ。”みたいな。あんな感じを僕は目指しているんですよね。

”何か分からないけど、普通とは違った感じの人間が来たぞ、、、。ま、面白そうだから写真を撮ってもらうか。”みたいな。

僕も人との関わり合いは好きなので楽しくやれるので苦ではまったくないし、今まで知らなかった人達とであって、その人の価値観や歩んだ人生について話を聞く事も出来て、それは本当に貴重な経験だな、この仕事をしていてラッキーだなって思える事なんですよね。

けど、ふと家に帰った時にそのエンターテイナーのスイッチが切れるときがあって、その時に疲れがドッと押し寄せてくるんですよね。”今日も頑張ったな。”って。自分に戻るその瞬間が、何処か刹那的なんですよね。

悲しい様な、寂しい様なそんな感情が疲れとともに体中を駆け巡る感じ。

特にベッドに寝転がって窓から見た空がこんなに素敵な茜色の日には。

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